長谷川順持の建築生活

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2012年 12月 12日

ミースファンデルローエ賞の作品Vol .2

ミース賞はバルセロナ・パビリオンに拠するミース財団によって1988年に設立され、隔年 ごとにEU地域内に建築物を造った、EU加盟国の建築家に対して与えられます。

まだ、ジャンヌーベルの作品が本賞には選ばれていないようですが、、、彼に限らず、スティーブンホール、トーマス・ヘルツォーク、ダニエル・リベスキント、レンゾ・ピアノ、サンチアゴ・カラトラバ、、、世界から尊敬の意を評される建築家が数多くいますから、このミース賞のレベルが、おのずと高まるのも容易に想像できます。

さて、ここではミース賞の最終選考に残った作品や新人賞などを中心に紹介し、理解を助けるために実作の写真や、リンクなどを貼っています。
模型であることが、写真ではわからない「計画」の大きな輪郭やダイアグラムを非常に明快に伝えてきます。各クレジットを参考に作家のホームページを探すのも楽しいです。

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NL ArchitectsによるBasket Barです。キョトン。。。。とするプロジェクトです。ビルの谷間のオープンスペースのあり方はアメリカのランドスケープデザイナーが各種トライしてきましたが、それらは自然をモチーフにした「憩い」の場所づくりが多かったですね。一方、ヨーロッパの中世以前の集落にある広場は、必ず何らかの「活動」と結びついていますが(教会、市場、庁舎であることが多い)その系譜としてとらえていい(かなぁ、、)オープンスペースづくりの現代版、、しかし、意表をつかれます。

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Department of Mathematics, Faculty of Physics and Mathematics/物理学と数学棟、学校の建物ですね。建築家はペブク・ペロビッチ事務所 。
これもボイドが重要な要素ですね。コンセプトスケッチもそれをよく示していますが

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実際はカーテンウォールのエレガントな姿。

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ヴォイド表現が生なかたちではなく、透ける、あるいは密度の重なりを内部空間のキャラクターから表層に浮かび上げる知的なヴォイドの扱いが新鮮です。学生はこうしたプロの仕事、コンセプトから実作の表現までの連続によく学んでほしいと感じます。

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これはマッシミリアーノ・フクサスのある学校の芸術学部|Maison Des Arts, Michel de Montaigne university。フランスのボルドーに1999年に完成。パラノイア的対比ですが、模型のマテリアルでも現物の素材感をうまく表現しています。小さなスケールの模型で素材感を表現すると、かえって実物の雰囲気から離れてしまうことがおおいなか、流石です。

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アルバロシザの科学情報学部。フィンガープランの平面計画。ポルト大学の建築学部もフィンガープランでしたね。
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アイレベルから観るとこんな姿。

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カサ・ダス・ムダス芸術センター、パウロ・ダビッド・アンドラデ作。この模型、相当小さなスケールなんです。工芸品のような等高線です。建築の構成が明快に伝わってくる模型ですね。

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リグラーリーベ事務所の情報技術学科。オーストリアのグラーツに1998年に完成しています。アクリルの積層という素材選択が施設のキャラクターをよく表現していて、平面的にはリニアーなヴォイドの帯が淡白に並ぶのですが垂直面はヴォイドがずれながら重なり、棟に対して垂直に歩行移動するときに、配置の淡白さとは対照的に意外なシーンに出会いそうです。

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リュイース・クロテット、イグナシオ・パシリオによるイーリャ/光住宅と銘打たれた集合住宅です。一見、ポロシティー/ルミノシティー/スティーブンホール、、、かな、なんて感じたのですが、プラン、セクション、実作写真を検討すると、全く異なる快適住宅でした。

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各層のスラブを回廊型に伸ばし、テラス部分をこしらえているわけですが、そこに「動きもの」のスクリーンを立て込む、という変哲もない手法で、かくも多様な姿を獲得してしまうのです。

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見上げの姿

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MVRDVがマスタープランを行ったハーゲンアイランド

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実際はこんな様子ですが、マスタープランの確かさが実作に感じられます。やはり面的な整備はマスターデザインが重要です。

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更にいえば、それよりも広域なグランドデザイン/土地のデザインが重要ですね。

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シネス芸術センター/アイレス・マテウス事務所作。セクションモデルです。ヴォイドの関係がよくわかります。

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カストラップ海水浴場、フレデリックピーターソン作。これもかなり小さな模型ですが木組みというか、木構造の構成がリアルに表現されています。

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お気に入りのプロジェクトでした。海とこの建築の中で、子供が走り回り、飛び込む実作写真の様子は、幸福感を感じました。

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ルクソール劇場/ボルス・ウィルソン事務所。オランダ発、世界を席巻し、学生にもプロにも大流行りの「一筆書き建築」ですが、これは平面領域から立体区画まで、一気に一筆書きした、本格派です。

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ハビエルガルシーア作 Alicante大学/スペイン/サンビセンテデルラスベッチ/のレクチャーホール/2001完成。この模型は高さが1センチ程度です。目を凝らして観ることを要求する極小なつくりに学びます。

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デイビッド・チッパーフィールド/アメリカンカップビル、スペインのバレンシアに建つ建築。スラスト/水平力を一気に数本のコアで受け、フラットな分厚い床天井スラブとの明快な空間の構成はメディアテークにも共通しますが、、、、そこに淡い一筆書き性もあって、チッパーさんのいつもながらのスマートさです。

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海のユースセンター/デンマークコペン/ビアルケ・インゲルス、ジュリアン・デ・シュメット作/2004.大桟橋の計画を類推する大地にカッターを入れ、めくり上げ、起伏をつくりあげた施設。子供達が楽しげに遊んでいます。子供の施設なのでしょうね、、しかし、法規がおおらかな国ですねえ、、、
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すばらしい場づくり。ぐにゃぐにゃ系にもトライしたい、そう思わせる楽しさがあります。

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カルロス・フェラテール、ペット・フィゲーラスらによる植物園/バルセロナ。ほぼ地中建築で、台地の造形と一体になった計画。これも模型素材のセンスがいいですね。

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太陽電池のプラント/これもバルセロナ/ホセ・アントニオ・マルティネス、エリアス・トーレス。片流れ屋根が太陽光側に転んだような形の屋根を不定形のRC壁が支えています。

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テブオイルガス給油所/フィンランドにハイキネン・コモネン事務所の設計。ハイキネン/排気、燃料/とは給油にピッタリな名(長文に疲れオヤジG)。最近はあまりこうした完全幾何学スキームの建築を見ませんが、竹中工務店の研究センターもそうでしたが、この建築も幾何学が醸す形而上的イメージがあるのです。現物の色彩もモデルと共通しています。薄い円筒部は茄子紺です。

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スイスreオフィスBRTオフィス/ドイツ。ドイツのオフィスは自然光線と自然通気が定番ですが、敷地にも寄りますが、フィンガープランやこうしたパティオ型のプランで、いかにも快適そうな配置スキームですね。

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ありがとうございました
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by junji_hasegawa | 2012-12-12 12:11 | アートとデザイン


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