2014年 12月 01日
時は15世紀、隆盛を極める都市フィレンツェの光と影。 多数の富裕層の一方で子供を養育できない貧困層と親の無い子供。 これを救済すべく「捨子養育院制度」が民間の社会システムとして起る。 さすが成熟の市民社会。 この建築はヨーロッパ最古なる孤児院。 建物の正面は街の広場に開かれ広がりと落着きをもたらせている。 アーケードの鉄のタイバー(棒状の水平材)はアーチに心地よく馴染んでいる。 柱間5.3m、コリント式柱頭までの高さも5.3m。従ってタイバー下部に「立方体」が美しく浮び上るコンセプトだ。 施設内部はスケールを都市から人びとへとシフトして、かわいらしい大きさの中庭。 しばし、貧しい母子が佇んだであろう当時を想う。 慈愛に満ちた静寂(しじま)に包まれる。 イタリア語の建物名・スペダーレ・ディ・サンタ・マリーア・デッリ・イノチェンティとは「捨子」ではなく「無垢な子供」の場所であることを心に刻みたい。 無垢な子供達を天使に見立てたブルネレスキ。青い漆喰は宇宙だ!
by junji_hasegawa
| 2014-12-01 12:01
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