長谷川順持の建築生活

hasejun.exblog.jp
ブログトップ
2009年 06月 04日

芸術と脳科学の対話/第三の対話

私たちは「美しいなあ」と感じているとき、あるいは、そう口にしてしまう時、そもそも、その実、どのような感覚、感情の状態なのだろう。
誰しもが一度は疑問を持ったことがあるし、その疑問を持ち続けてもいるのではないだろうか。「美」は「記憶」である、と言われてきたし、「好み」である、
と言い放つ輩も多い。
どちらも「そうだな、、」と同意できるが、もう少し掘ってみると、
ではその記憶の「何に由来して、、」あるいは「好みを美的に感じるのは何に由来する、、、」と、結果、堂々巡りだ。
e0141727_1544362.jpg

美を創出する芸術家と、その「美」なるものを脳科学で解明し続ける科学者の対話。
対話者はバルテュス/2001年に他界したフランスの画家+セミール・ゼキ/視覚脳に関する研究者、ロンドン大学神経生物学教授。

六つの対話からなる本書の、今回は第三番目の対話。

珠玉ことばをピックアップ。
セミールゼキ
なぜ単純化はよくないのでしょうか、、、
バルテュス
おそらく単純化は、感覚を鈍らせてしまうでしょう。
セミールゼキ
一定の時間、視覚脳の細胞に同じ刺激を与え続けた場合、しばしばその細胞は反応しなくなってしまうことをご存知ですか
バルテュス
、、東洋の書道と比較した場合、東洋の芸術家は常に単純化を行っていますが、それは読解可能なものです。それに対して哀れな現代の芸術家は、それを模倣しようと試み、さらに成功したとまで主張するわけですが、、、、
e0141727_1555874.jpg

セミールゼキ
一般的に脳は誤解されているのです。脳は受動的な器官だと考えられています。例えばあなたの顔のイメージは、単に私の脳に刷り込まれるものだと思われているのです。しかしそれは間違いです。わたしがあなたを見るとき、わたしの脳は絶えず、あなたの目の後ろにあるものを、あなたのなかにある不変のものを、わたしに知らせてくれるのです。
わたしの脳は、ある特徴に対してはまったく興味を示さず、逆に、ある別の特徴にはとても関心をしめします。
あなたがそれを絵画において実践されている、ということです。

あなたは芸術家ですが、同時に脳でもあるわけです。

セミールゼキ
脳は問題を解決することが大好きですが、それがあまり簡単であったり、あるいはあまりに難しかったりすると、完全に興味を失ってしまうのです。
e0141727_1565929.jpg
   「街路」バルテュス


ヨーロッパの人にとって「街路」は生活空間
しかしここに描き出される街路は、、、

視線をあわせず行き交う人びと

ジョルジュスーラがグランド・ジャッド島の日曜日の午後で描き出していた
現代人の孤独感、あるいは、パラレルワールドだろうか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どまだんシステムロハスな運動です
長谷川順持建築デザインオフィスのホームページも応援お願いします
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ブログランキングに参加しています。 左のボタンをニャンして下さい。。
e0141727_16131173.jpg
人気ブログランキングへ
e0141727_15592420.gif

ありがとうございました
[PR]

by junji_hasegawa | 2009-06-04 01:57 | 本に関するノート


<< 建築知識・最新号に執筆しました      東京都市大学での授業 >>